欲望はもっと素直に認めましょう その2

〜タイトル「ごいっしょにどうぞ」下田逸郎

その1と同じようなケースで、愛知県立がんセンター中央病院の前副院長兼
婦人科部長(58歳)が765人の患者情報を持ち出し、退職後自分が6
月に名古屋市名東区内で開業する診療所の案内状を郵送した事件がありま
す。この前副院長兼婦人科部長は、個人情報データ管理の責任者(部内の
個人情報を管理する責任者)だったにも関わらず、勤務していた県立病院
に無断で、診療した患者765人の氏名、住所、電話番号及び、その中の
573人については初診年月、病名を含む組織診断結果などの医療情報も
持ち出し、2〜4月にくりかえし、婦人科研究室のパソコンのデータベー
スから情報を抜き出しリストを作成。一部、カルテからも情報を写し、自
宅のパソコンに取り込んだ。県病院事業庁は、「不正な利益を図る目的だ
ったとまでは言えない」として、県立病院等に適用される個人情報保護条
例での告発は見送る方針。県に匿名の問い合わせがあったことから発覚し
た。
前副院長兼婦人科部長の供述:
・多くの患者には「案内状を送っていいか」と確認した。
・自分の患者が将来、治療の相談などをしてくる時のためにやった。 
・目的外利用に当たるとの認識はなかった。
→個人情報データ管理の責任者ならば、個人情報に関わる県条例違反と
 罰則は十分認識していたはずで、口頭による同意は無効で、予め個人
 情報を収集する全患者に対して、同意書を取得し、勤務先の了承を得
 れば、何も問題がないことを知っていたはず・・・

一部の報道による「病院事業庁によると、県個人情報保護条例に抵触する
恐れはあるが、罰則はないという」は間違いで、明らかに自分の開業する
病院の利益を図る目的で、患者の同意を得ずに、勤務先に無断で個人情報
を抜き出し、リストを作成した行為は、上記の第7条と第11条に違反し、
第56条又は第57条の罰則が適用されます。