昔 それもずっと昔に君を抱きしめてた

下田さんがエジプトに、はまったの
は画家の合田佐和子さん(アルバム
「銀の魚」のジャケット画)による
と、山口県出身のS氏から聴いた。

ジャパルタゴウグのヌビア人村に
家族で永住を試みた様子が著書
「ナイルのほとりで」に描かれて
いる。

のちに下田さんが居候することに
なる村と同じ場所です。

私がエジプトに、はまったのは、
母と行った上野のツタンカーメン
展(1965年)からです。

放課後、野球やドッジボールに興
じてた小学生が図書室でヒエログ
リフを写し、古代史や古代美術な
どの書籍から、ひとりで遊ぶこと
に目覚めました。

その5年後、新宿御苑で私を拾っ
た五歳年上の異性と同じきっかけ
で同じ体験を共有したことを知り、
いつかエジプトへ、ツタンカーメ
ンの墳墓へ行くのが最初の「夢」
の始まりでした。

そして2年後、二人の「夢」は
夢のままで終わりました。

父が亡くなった翌年、まだ四十代
だった母が妹とエジプトへ、ツタ
ンカーメンの墳墓へ(今は立入禁
止の由)、アスワンのファルーカ
にも乗船しました。