忘れてゆく そのたびに ひろがるのは夢心地

そよ風が運ぶのは かすかな緑の匂い
〜タイトル『緑の匂い』安井かずみ 曲・唄:下田逸郎
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情熱のもろさなんて知らなかったあの頃
 鎮めていた私の狂気気づくなんてなおさら
                   『緑の匂い』安井かずみ

狂ったかと思ったほど、ヒトを好きになってしまった者は、さながら凶器
のようなもので、まったく手に負えなくなる。
あとで、消えてしまいたいほどの気恥ずかしさしか残らないとわかってい
ても止められない。
常軌を逸するには、恋をするほかに、大麻や薬物などを用いる方法がある。
どちらも個人の嗜好品としては自己破壊に繋がる。
風味や味、摂取時の心身の高揚感など味覚や臭覚を楽しむために、自己破
壊に繋がろうともやめられなくなる。
昔、サーフィンがはやりだした頃、大麻の臭いと似た「グダン・ガラム」
というインドネシアの煙草が流行したことがある。
当時ピース党だった私にとって悪臭でしかなく必ず頭痛がした。
そして、煙草をやめて数年、今では、紫煙の匂いでも頭が痛むようになっ
てしまった。
きっと、恐らく、今では恋も、かすかに匂っただけで拒絶反応を示してし
まい、味わうまえに逃げ出してしまうのだろう。
 
沈黙の深さそこで誰か私呼ぶから
解き放った私の狂気帰るところ失くした
                  『緑の匂い』安井かずみ